神宮は二千年の歴史を伊勢で刻み、ここに住まう我々伊勢の民の歴史や文化は神宮と共に現代まで紡がれてきました。二十年毎におこなわれる先の神宮式年遷宮では、「常若」の精神のもと第六十二回を数え、生まれ変わった社殿は美しく輝き、全国から今日も絶えず多くの人が伊勢へ訪れています。

昨今、様々な社会情勢による経済の混乱は我々を囲む社会生活の上でも現実味を帯び、これまでの固定概念にとらわれることなく、柔軟性をもって時代の波を乗りこなしていかなくてはならないと感じています。今私たちに何ができるのか、私たちは何を求められているのか。
青年経済人にとって、その答えを導き出すのに最も有効な手法が、我々の「ＹＥＧ活動」であると信じています。

私たちの「まち」を創っているのは行政や名士であり、自分たちとは無縁であると感じていた時期もありました。しかし、私たちＹＥＧメンバーが属する事業所は、規模は様々ですが雇用を生み出し、従業員家族や取引先、そして顧客に必要とされる経済活動をおこなうことで「まち」が成り立っていると今では理解しています。
我々個々の力は微力でも、重なり合い動き出すことで大きな力となり「まち」を創っていけるとの思考にいたるまでに、多くの刺激や考え方に触れさせてくれたのは地域の青年経済人であるＹＥＧの仲間や先輩でした。ＹＥＧの根幹はビジネスであり、地域経済社会の発展に寄与していくことが求められていると言えます。

今年度、伊勢ＹＥＧではＹＥＧのスケールメリットを活かしたビジネスの成長発展を目指すことを大きな一つの柱として、各種事業をおこなってまいります。入会動機は様々であるとは思いますが、事業所があってこそのＹＥＧ活動であり、ビジネスなしにＹＥＧの魅力は語れません。メンバー同士で互いのビジネスを再認識し、ビジネスチャンスを創出する関係性づくりを目指します。活発なビジネスの動きで会員活性化を図ることは、これから入会を検討する未来のメンバーにも魅力的に映る筈であり、入会促進にも寄与することでしょう。

また、個々の事業所の発展を目指すのは勿論ですが、まわりの事業所が互いに発展していくことは、より良い「まち」創りへの大道であります。責任世代である私たちが「まち」を創っていく責任と自覚を持ち、提言活動の意義と目的を学ぶことでより良い未来の創造へ向かう種まきをおこなってまいります。

結びに、自企業発展の基礎は信頼関係の構築にあると私は感じています。連綿とつながってきた伊勢ＹＥＧの輪を新たなメンバーを迎えながら拡げてまいりましょう。そして、共に創っていく「ＹＥＧ活動」で求め、求められるビジョンを体現してまいりましょう。
今の一生懸命がより良い「今から」を築く礎となることを信じて。